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4月の水あび「背中を流そう!文化混浴トーク」レポート

 みずのうえ文化センター発足を記念して2023年4月26日(水)夜、愛知県の豊橋駅近くの大豊商店街でトークイベント4月の水あび「背中を流そう! 文化混浴トーク」が行われました。参加者31人に向けて、センターの役割や今後のイベントについてメンバーが説明しました。

 みずのうえ文化センターは、通称・水上ビルにある大豊商店街で集会所として使われてきた場所に構えました。穂の国とよはし芸術劇場プラットやまちなか図書館が近くにあり、「あいちトリエンナーレ2016」をきっかけに整備した1階の「みずのうえビジターセンター」を活用しながら、水上ビルのクリエイティブの拠点としての役割を果たしていきます。

 

 「背中を流そう!文化混浴トーク」では、1階のみずのうえビジターセンターから、みずのうえ文化センターになる3階までを使い、トークセッションを繰り広げました。登壇者は、みずのえ文化センター実行委員長であり、発起人の舞台映像作家・山田晋平さんと、アート分野に精通した劇場や美術館など公共施設の企画スタッフ、「とよはしまちなかスロータウン映画祭」実行委員会メンバーらです。

 メンバーが2〜3人のユニットとなり、発足経緯やそれぞれの思いを語りました。前半の1階では、山田さんが商店街の大豊協同組合の代表理事を務める黒野有一郎さんと語りました。

 

 商店街にアトリエ「冷や水」を構える山田さんは、「豊橋のアートやカルチャーがもっと豊かになるきっかけになればと思い、立ち上げた」と発足のいきさつを説明。メンバーについては、「公共の文化施設の人にちょっとずつ仲間になってもらった。普段は別々の専門性で文化的な仕事をしているが、集まれば、自分たちの職場ではできないけれど、実はやりたいこと、自分の領域ではないけど、やってみたいことを自由にいろんな人の力を借りてできるのではないかと思った。民間の人を含めて10人ほどが実行委員会のメンバーになってくれています」と伝えました。

 山田さんは、舞台芸術と現代美術分野の映像制作が専門です。2013年に愛知大学文学部准教授着任を機に豊橋へ移住。「あいちトリエンナーレ2016」をきっかけに水上ビルとの関わりを持ち、19年の大学退職を機に引っ越してきました。「文化センターが商店街で商いをしている人の商売に何かしらつながるようにしないとよろしくないと思う。アートを目的に、水上ビルに人が来れば、そのまま商店街で食事をしたり、買い物をしたりする人も絶対にいるはず。商売以外のチャンネルでこの商店街を元気にしたい。ちゃんと商店街に貢献したいです」と意気込みを語りました。

 商店街はアートとの関わりを深めており、パフォーマンスや作品展示の場としてこれまでもアーティストの活動に協力。イベントの開催にも寛容です。黒野さんは「こども未来館ここにこが開館15周年で、プラットが10周年、豊橋市美術博物館は改装中、まちなか図書館もできた。各施設が外に出ていく活動を活発にしており、既存のキュレーターも街とのコミュニケーションを取らないといけなくなっている。それぞれの施設が充実してきている今だからこそ、民間と協力しながら街にいろんなアプローチができる。このタイミングだからこそ、文化センターもできた。美大出身者やアートに関わる人の輪をもっと広げると大きなハレーションが起きるかも」と期待。また、「商店街としてはこのような活動は非常にありがたいこと。一生懸命続けているseboneのように、アートな土地柄、場所柄になっていけばいいなと思う」と話しました。

 2階ではコレクションカード遊びというコーナーも備え、子どもたちの憩いの場も設置。1階では、水上ビルに店を構えるジンジャーシロップ「TEMTASOBI GINGER(テンタソビジンジャー)」が出店し、ホットのショウガドリンクが体を温めてくれました。